司馬遼太郎『世に棲む日日』
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「司馬史観」なんて言葉が生まれるくらいだから、カリスマ的な魅力か反論し難い緻密な論理によって人物造詣がなされているのかと想像していたのだけれど、僕にとってはそのどちらでもなかった。登場人物が吉田松陰と高杉晋作というせいもあるのだろうけれど、彼らに対してあまり内在的な共感というものを感じなかった。
実はこの本某政治家の愛読書らしい。また大学で教わったIT分野で有名な某先生は「幕府にたてつかない吉田松陰が僕の理想」と語っておられた。どちらも自分としては苦手な部類の人たちで、そういった人を少しでも理解したいという動機もあって読んでみたんだけど、却って好きになれない理由がはっきりしたような感じ。