百万円と苦虫女

http://nigamushi.com/
30を目前にしたおっさんの目から見ると,蒼井優演じる主人公の女の子は,繊細というよりはちょっとアタマの弱い子のように見えなくもないのだけど,そういや自分のハタチ前後も相当にみっともなかったなぁ,と思い出しました。混乱の極みというかね。映画に共感できたわけではないのだけれども,許容はできるというか。

それにしても蒼井優さんの素敵なことであるよ。彼女に限らず,役者に対するほめことばとして,「独特の存在感」とか「存在感のある演技」というのが1つの決まり文句のようにして語られるけれど,彼女のすばらしさはむしろ「存在しなさ感」なのではないか,と思った。たとえば蝶の舞う風景を美しいと思うように,蒼井優の出てる映画は美しい。でも蝶々のことを存在感があるとはきっと誰も言わないはず。