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想像以上にカウンターが回ってる。お目汚しすみませぬ。

島田荘司さんと村上春樹さんの小説が好きだ。
二人の小説を愛読するうちに、二人の経歴が微妙にシンクロしていることに気付いた。

まず、二人とも1948「年度」生まれ(村上さんは早生まれ)で学年が一緒。そして、作家デビューが1980年前後と比較的遅い。
さらに、二人とも執筆活動を始める以前は、趣味の域を遥かに越えて音楽に深く関わっている(島田さんはレコードを吹き込み、村上さんはジャズ喫茶を経営していた)。そして、作家になってからは二人とも長期間にわたり生活の拠点を海外においている。また、1995年前後から社会問題(島田さんは冤罪事件、村上さんはオウム問題)に深くコミットメントして、ノンフィクションの作品を何冊か出版している…。
まぁ、こういった共通点は掘っていけば、ピラミッドの謎的にいくらでも見つけられそうな気がしないでもないけど、奇妙にシンクロしている気がするのです。
ただ、もちろん違う点もいくつか。両者とも動物は好きそうだけれど、島田さんの小説に良く出てくるのは犬で、村上さんの場合は猫。島田さんはチック・コリアの熱烈なファンだけれど、村上さんはあまり好きじゃない*1というのが個人的にはツボ。

村上さんが島田さんの小説について言及しているのは見たことが無いけど、島田さんが村上さんの小説に言及した文章については一度だけ見た記憶があります。すでに紛失してしまって手元にはないけれど、確か光文社の文庫に挟まれている小冊子の連載で、「ノルウェイの森」の感想を書かれていました。「美しい音楽のようにリズムに溢れた小説だった」といった内容で、永沢さんのことを「ポスト高度経済成長向きの人物」と表現していたのが記憶に残っています。そしてビートルズフリークの島田さんなので「ノルウェイの森」という訳についても触れていた(これについて(『Norwegian wood』を如何に訳すべきか)は村上さんも意見の一部をHPで書かれていましたね)。

*1:「僕はチック・コリアというピアニストに対して、昔からあまり良い感情を持っていない」のだそうです