羽生道英『伊藤博文』
- 作者: 羽生道英
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2004/01/06
- メディア: 文庫
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でも、近代史に関しても伊藤博文についても知らないことだらけなのでそれなりに勉強にはなった。ただ、読む前に一番関心があった大日本帝国憲法の制定過程について記述が少なかったのは残念。それと、明治天皇が「神聖かつ聡明であり、ほとんど全知全能の君主として積極果敢に行動された」という人物観についても凄い違和感。「明治政府の中枢にいた連中にとっては、天皇というのは動員のための『ネタ』だった」という視点に立てば、伊藤の天皇に対する発言と内心の思惑にはそれなりのズレがあるはずなのだけど、この著者は「発言=内面」という部分を全く疑っていないようなので、かなり違和感があった。