藤原正彦『数学者の言葉では』

数学者の言葉では (新潮文庫)

数学者の言葉では (新潮文庫)

冒頭の、数学の研究者になろうとすることの困難についての文章と、大学教育についての文章が素晴らしい。大学に入ったばかりの時に、いや受験生の時に読んでおきたかった。二十年以上前の文章だけれど、全然古くなってない(海外旅行記は随分と風化しているけど)。裏を返せば、大学教育のあり方なんて本質的にはその頃とたいして変わってないんじゃないだろうか。文中の授業評価を取り入れたのだってつい数年前だし、それが上手く機能しているようにも思えないんだけど。